心の置ける所

困難

思えば


初めて妊娠したとき

あの人は嬉しそうではなかった


あたしが胃腸風邪で高熱なのに

あの人はまだ小さい子供二人と

あたしを残して

平気で友達との旅行を楽しんでた


あたしが泣いて頼んでも

出会い系サイトをやって女と連絡を

とっていたことも

心から謝ったことなんてなかった

うざそうに、めんどくさそうに


仕事をすぐやめるあの人と

子供を守るために

昼間の正社員の仕事をしたあと

夜の仕事を掛け持ちするのを

ただ黙ってみていたね

あげくのはてにはそれが気に入らないと

あたしを無視しはじめて

あたしはどこにも、誰にも

心を開くことをやめました


小さい頃からお母さんになるのが夢で

平凡でいいから幸せな家庭を夢見て

就職したばかりでいろいろストレスを抱えて

心療内科に通っていたあたしなんかを

好きだと言ってくれたあの人に

一生かけて恩返ししようって決めたあたしは

なにを見ていたんだろうね


今思い返すと

あたしはほとんど甘えたことなかった

カードすらつくれないあの人を

あたしが一生懸命幸せになろうと

駆けずり回って

本当はずっと疑問だったはずなのに

見て見ぬふりしてたのは自分だった


愛されてないのは

わかっていたのに

愛されていると思いたかった










あたしを想ってくれるあなたへ


正直に話すと

好きという気持ちがもうわからないんだ


たくさん勇気づけてくれて

想ってくれて


本当に心地よくて



でも、怖いんだ



あなたもいつか



変わってしまうんじゃないかなって



あたしを捨てるんじゃないかって



それに




なによりあたしは一人じゃないから


あたしより若いあなたに

そんなことさせられないよ、やっぱり


血の繋がりとか

そんなことは考えてない





ただただ、

あなたの未来が

あたしという影に隠れて

いろんな可能性を潰してしまう前に



どうか





どうか





あなたの道を真っ直ぐ振り返らずに

進んでほしい




あたしも

方向は違えど

前に進んでいまより強くなって

あなたがこの世界のどこかで

元気に頑張っていてくれたら

もうなにも望まないよ



あたしはもう望みをもってはいけない






こんな人混みでパニックになったり

緊張すると発作がでたりするような

変な女じゃなくて



もっと可愛らしくて

綺麗な一面もあって

気立てもよくて優しくて

あなたを大切に想ってくれる人は

きっといるから







いくらさそってくれても


あたしが隣にいたらみんなに笑われるよ


あなたが恥ずかしい思いをするのは


耐えられないよ